EQ-道場

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CEO 初音ミク誕生の可能性

人口知能(AI)と人間の対決にまた一つ歴史的瞬間が訪れた。

gigazine.net

 

AIと人の対決では1997年に「ディープ・ブルー(IBM)」がチェスチャンピオンを打ち破ったことが有名である。その後も、色々なAIが様々なボードゲームでプロと対決し進化を続けている。日本でも将棋の電脳戦が行われ、プロ棋士とAIが一進一退の攻防を繰り広げている。

 

このニュースに関連して「AIの可能性」という観点で、グロービス経営大学院学長 堀義人氏が面白い記事を書いています(AIが取締役会で発言する未来 深層学習で大局観 :日本経済新聞)。

堀氏によれば、「AIが経営の意思決定に関わる日が来るだろう。すると、優秀なAIを抱えた企業が経営というゲームに勝つ確率が高まることを意味する。」とのこと。

このブログでも先日、ロボットと雇用について書いた(ロボットが雇用を奪う:ロボットを敵視してる人ってバカなの?)が社長をAIが担う日が近づいているというのである。凄いことだ!

 

AIを経営に応用する研究は是非積極的に進めていただきたいと思う。なぜなら、コンピュータで処理させることで、これまで「ノウハウ」や「経験」という言葉に隠れてしまっていた経営の真実が明確になるからである。
企業経営者は世の中にある膨大な情報の中から必要な情報を判断し、適切な意思決定を行う。しかし、この情報判断と意思決定がどのようなプロセスを経て下されているかを明らかにされずにいる。おそらく意思決定を行っている経営者自身も明確には分かっていないし、説明できない状態であろう。

 

コンピュータは数値化された情報しか扱うことができない。しかもコンピュータができることは、「数値を比較して、大きいか?小さいか?」を判断することだけである(世の中にある複雑なコンピュータが全てこの大小比較だけで成り立っていることは驚きである)。最近、画像解析や類似画像の検索が可能となってきたが、これはコンピュータの能力が向上したのではなく、「画像をコンピュータが処理できる情報に加工できるようになった」「類似性も大小比較だけで表現できる構造にすることができた」のである。AIの進化も同様で、「学習」というプロセスを数値で表現することがAIの研究であり、より効率的に学習できるか、複雑な(様に見える)判断を数値で表現するか、を競っているのである。ちなみに、AlphaGoはディープラーニングという技術でこれらを実現している。

 

つまり、経営の意思決定をAIで実施させるということは複雑だと考えられている意思決定のプロセスを明確にし、大小比較だけで表現するということ。また、何を学習すれば意思決定を改善できるか、を発見するということだ。しかもそれを経営学に携わる方が言っているということは、"本来、経営はとても単純で誰にでも実行可能だ"ということである。

 

さて、これまで技術的な面でAI社長の実現性を書いてきた。では実際にAIが社長となることは可能なのだろうか?

社長に必要な能力とはなんだろう。様々な意見があると思うが、私は①経営に関する意思決定、②人を集め、動かすカリスマ性の2つだと考えている。

今後、AIが社長を担うことを考えると、①経営に関する意思決定はクリアできる。しかし、AIがカリスマ性を持つことは難しいだろう。そこでアイドルと組んで会社を運営していくというのはどうであろう?
意思決定を行う優秀なAIと、人を動かすカリスマアイドルのツートップ。毎年、選抜総選挙で選ばれたアイドルが会社を起こす。製造業は難しそうだが、小売・飲食業なら実現できそうではないだろうか? 実際、アイドルを卒業した後、アパレルの会社を経営している人もいる。AIもクラウドサービス化して、様々な会社のデータを繋合わせれば今までに無い面白い経営ができるだろうし、コストも低く抑えられる。

 

アイドルとコンピュータというと音声合成ソフト「VOCALOID初音ミクが思い出される。ひょっとしたら初音ミク社長が誕生するのかもしれない。