EQ-道場

スポーツカートに夢中な管理人が気ままに続けるブログ

人工知能とプロ棋士の対局が終了

人工知能(AlphaGo)と囲碁のプロ棋士(イ・セドル九段)との対局5戦全てが終わった。

headlines.yahoo.co.jp

 

結果は4勝1敗でAlphaGoが勝利を納めた。対局開始前はイ九段有利で5-0と予想が多かったことからは驚愕の結果だ。
3戦目まではAlphaGoが圧倒的有利で3連勝。このまま一方的な対局となってしまうかという4戦目でイ九段が逆転勝利。5戦目も緊迫した戦局をAlphaGoが競り勝った。

 

私は囲碁は分からないので対局の解説は他の方にお任せするとして、今回注目したいのは後半戦に向けてイ九段が盛り返してきたという事実です。

 

人工知能であるAlphaGoは「棋譜を覚える」のではなく、「打ち方を学習する」ことで強くなっていきます。その結果、今までに無い未知の打ち方、戦略を創りだすことができるのです。実際、3戦目まではAlphaGoの奇抜な戦術にイ九段が翻弄されていたという評価、コメントが多く見られます。
コンピュータは疲れを知らず、驚異的な計算速度で繰り返し処理が得意です。そのため、新しい戦術に対する対応方法の確立はAlphaGoの方が有利であると考えています。にも関わらず、イ九段はAlphaGoを遥かに凌ぐ対応力を見せAlphaGoに勝利した。素晴らしい一勝出会ったと思います。

 

極限の状態での人間の発想力、いわゆる「火事場の馬鹿力」と言うべきものは正に未知の力です。

 

さて、人工知能の発展が持つ意味、研究の目的について少し触れてみたいと思います。

色々な考えを持って研究に携わっている方々がいらっしゃると思いますが、私は人工知能の恩恵を受ける立場の人間として、大きく2つの意味があると考えています。

 

①コンピュータを人間と同等の思考ができるようにし、人間の代わりに働かせる。

人工知能開発の過程で人間の思考メカニズムを明らかにし、優秀な思考方法を習得する方法を確立、教育に適応する。

 

特に②が重要な意味があると考えている。この立場で人工知能とプロ棋士の対決を振り返るとまだまだ思考のメカニズムは未知数で発展途上であることを再認識できる。あわせてそんな未熟な状態でプロ棋士に勝利してしまうコンピュータの潜在能力の高さに驚愕する。

AlphaGoの開発者が「私たちはアルファ碁の限界を試すために、DeepMind チャレンジを企画し、韓国まで来ました」とコメントをしているように火事場の馬鹿力の解明はまだまだこれから、ということでしょう。

 

今後の研究成果に大いに期待しています。