鴻海「シャープ買収」は実現するのか? 大迷走の裏側
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープへの出資4890億円を1000億円程度減らす案で決着を図る方向となったとのこと。
シャープは、2月26日に鴻海による買収受け入れを決めた。当初の鴻海買収案は、
①シャープが第三者割当で発行する新株を総額4890億円で取得(議決権割合で66%)
②主要取引銀行のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行が保有する優先株のそれぞれ半数を総額1000億円で買い取る
総額7,000億円の融資を受ける予定でだった。
しかし、この買収受け入れ、実はシャープ側の一方的な意見で鴻海とは一切、合意できていない。
2月24日に鴻海側は契約締結の延期を発表(シャープ側から偶発債務リストが提出され、精査が必要)。
「偶発債務を考慮した契約内容対するシャープ側の方針」というのが記事の実態である。
偶発債務を受けての鴻海側の案は、
①銀行団が保有する優先株の買取価格を、1,000億円から半額の500億円まで大幅に引き下げ、
② ①が受け入れられない場合、銀行団からのシャープへの新たな融資枠の設定と、1,000億円規模の出資額引き下げ
③再建支援の「手付金」1,000億円の保証金を、500億円程度に減額
④手付金を第三者機関に預託し、使途を制限
とのこと(鴻海が出資額引き下げを打診 混迷深まるシャープの経営再建 (ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース)。
シャープ側はこの減額案に対し、②を受け入れ、③④を回避する方針。
しかし、鴻海側からのコメントが出ていないため、修正案がどこまで合意できているかは気になるところである。
最悪、鴻海の買収案が破断となった場合、シャープ側はどう対応するつもりだろうか?
難航しているシャープ買収問題、まだまだ先は長そうである。