三菱商事:赤字転落しても、株主への配当は出す。
三菱商事が1954年の創業以来初、連結純損益で赤字。
最終赤字額は▲1,500億円(前期4005億円の黒字)。
三菱商事は従来予想で3,000億円の黒字であったが、資源価格の下落により4,300億円の減損損失を計上。連結ベースで1,500億円の赤字となった。資源価格の影響が大きかったのが、チリの銅事業、オーストラリアの液化天然ガス事業。
三菱商事だけでなく、三井物産も同様に2,600億円の減損を計上し、今期純損益は▲700億円の赤字となっている。
現時点で総合商社5社が想定する減損の合計は▲9,700億円、前期の1.4倍となる見通し。
さて、今回の減損ですが、原因は資源価格下落による資産価値の減少であり、各社の業績が悪化しているわけではない。企業努力ではどうしようもない所で企業価値が評価され、損益、市場評価が乱高下するというのは辛いところでしょう。
ちなみに、2010年以降の主要な資源価格のチャートを見ると、
原油価格が2011年5月に高値を付け、2014年6月以降に急激に下落し、下落率が75.7%。
天然ガスが2010年以降じわじわと価格を下げており、2011年4月に押目のピークが来るもののその後急激に悪化、下落率は74.6%。
銅価格も2011年7月以降下がり続け、下落率は53.7%。
三菱商事、三井物産の減損額の大きさにも驚かされるが、資源価格がこの5年でこれだけ下がっているの状態で、これまで黒字を維持してきたという企業努力にも脱帽である。
なお、今回の減損による株主への期末配当の変更はしないとのこと。