EQ-道場

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排ガス不正問題って本当に問題か?

VW排ガス不正問題を受け、日本でも試験の見直しを行うようです。

 

www.47news.jp

 

記事によれば、トヨタマツダ、日産、三菱の4社6車種を対象に走行中の排ガス測定を実施したとのこと。

結果、マツダ以外の3社4車種が国の基準値をクリアできなかったとのこと。

 

この結果を受けて各車の環境性能を議論するのは間違いである。

今回の結果は「測定条件により数値は大きく異なる」ことを示しているに過ぎない。

これまでの試験は車をダイナモメータ(ルームランナーのような装置)に乗せ、擬似的に走行させ測定する。これに対し、今回の測定は実際に路上を走行しながら測定した。

これはVWの不正が、試験中と街中を走行中で排ガスの浄化装置の動作を変える違法プログラムを使って試験をパスさせていたためだ。

 

測定条件が違えば当然、結果も異なるし「合格、不合格」を決める基準も変える必要がある。ルームランナーでの測定を前提とした基準値と比較しても何の意味もない。

また、国交省は今回の実験結果に対し、以下のようにコメントしている。

「NOxを減らす装置は、外気が低温の状態で作動させるとエンジンを傷める恐れがあるため、装置が自動的に停止する仕組みになっている。国交省は今回の走行検査が冬場に行われたため「低温で装置が停止したためとみられる」(<ディーゼル車>NOx排出、走行中も規制 屋内基準超えで (毎日新聞) - Yahoo!ニュース)。」

 

排ガスが気温による影響も受けるのであれば試験条件の設定はより複雑となり、技術的にも困難となる。新たな環境基準はこれらの問題を考慮した上で、客観的に公平で環境に対し効果のあることを示す測定方法、基準値を定めなければならない。

非常に難しい問題であるが是非真摯に取り組んでいただきたい。アメリカの基準をただ追随するだけでなく、日本独自の基準で世界を引っ張って行くことを期待しています。

 

 

さて、上記のように排ガス規制について書いてきたが、筆者の個人的な見解としては排ガス規制はもっと緩めても良いのではないかと思う。国交省のコメントにあるように冬場はNOxを減らす装置が作動していない。つまり夏と冬を比較すると冬の方が大気は汚染された状態になる。

果たしてそうだろうか?光化学スモッグをはじめとする環境問題は冬より夏の方が問題となることが多い。事実、平成26年の光化学スモッグ注意報の発令は7月が最も多い(平成26年光化学大気汚染の概要(添付表2)https://www.env.go.jp/press/files/jp/26037.pdf)。

 

このことからディーゼル車の排ガス規制が環境に与える影響は大きくないと考えられる。排ガス規制を厳しくすると、それに対応するため、技術が発展する。

一方、多額のメーカーは研究、開発費を費やすことになり結果車体価格が上がる(さらに悪いことにメーカーの粗利は下がる)。経済の低迷が問題視されている中、基準を見直すことは果たして有効だろうか?