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EQ-道場

スポーツカートに夢中な管理人が気ままに続けるブログ

日本企業では絶対真似できないだろうなぁ

アドビの起業家発掘プロジェクト

forbesjapan.com

 

「魔法の箱」こと、キックボックスなるプロジェクトに3年も取り組んでいるという。私はキックボックスはとても面白い活動だと思う。そこで今回はなぜアドビがキックボックスに取り組むのか、なぜ3年も続けられるのかについて考える。

 

まず、キックボックスを理解する上で、知っておくべきは、記事に書いてあることはほぼウソであるということであろう。そもそもイノベーションを起こす人材は企業、独立をするため、企業内で育成、発掘するメリットがない。ではアドビがキックボックスに取り組む意図は何であろうか?

 

それはマーケティング情報の収集である。しかも多種多様な情報がただ待っているだけで勝手に集まってくるようになっている。キックボックスでマーケティング情報を得られるポイントは2つある。

 

1つ目はキックボックス参加者が各自のアイディアを主張するために集める調査結果である。やる気あふれる優秀な社員にたった$1,000を渡すだけで嬉々としてデータを集め、集計し、報告してくれる。しかも単なるアンケート調査程度ではなく、プロトタイプを用いたより実践に近いマーケティング情報をである。これだけの価値ある情報を得るためにアドビは特に何もする必要がない。社内にいる優秀なエンジニア、マーケターがせっせと情報を運んできてくれるのである。

 

2つ目はキックボックスの資料をダウンロードしてくれた企業リストである。どんな企業がどのテーマ、どの市場に興味をもっているか、何を必要としているかを知ることができる。しかも少なからずアドビに好意的な企業をも知ることができる。このリストを作るのに必要なコストは優秀な社員に渡すたった$1,000だけである。

 

通常、社内ベンチャーを募ったとしても、実際に収益を挙げられるような事業が生まれることは期待できない。しかしその仕組みを上手く使って新たな価値を生み出している。また、キックボックスを推進することで普段の業務ではできない社員の能力開発もでき、しかも独立させないようにしている(マクヒュー氏はおそらく独立しても十分やっていけるだけの実力があったと思われるが、シニア・プロダクト・マネージャーの椅子に収まっている)。

 

日本の企業もこれくらい戦略的に事業展開をして欲しいと思う。